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会社と個人事業の違い(運営編)

会社と個人の運営面での違い

1.会社は定款に定めた目的以外の事業を行うことはできない

会社設立には「定款」が必要

 会社法では、会社は設立登記のときに「定款を作成して法務局に提出しなければならない」と規定されています。
 定款とはその会社の基本的なルールを定めたもので、「会社の憲法」とか「会社の法律」などと呼ばれるものです。
 定款には「会社の目的」を定めなければならないこととされています。目的とは、「会社が営んでいる、あるいは営もうとしている事業の範囲」のことをいいます。会社は、定款に目的として定めた以外の事業を行うことはできないので、定款を作成するときには注意が必要です。

会社の「目的」は将来を見据えて記載

 目的はいくつでも記載することができます。現在は営んでいないけれども、将来的に営む可能性のある目的を記載することも可能です。 
 しかし、定款に記載されていない事業を開始する場合には、法務局に定款変更の手続きをしなければなりません。定款を変更する場合、3万円の印紙代や、登記の手続きを司法書士に依頼すれば手数料も発生します。

会社の目的欄記載の注意!行政の認可と兼業ができない

 ここで注意するのは、人材派遣業などの行政上の認可を申請する場合です。許可を得るために必要な表現が、定款に目的として記載されていないと、目的変更の登記をしなければなりません。たとえば、古物商の許可をとる場合には、目的欄に「古物商を営む」旨の記載が必要です。
 また、業種によっては、兼業ができない場合もあります。たとえば風俗営業を行っている場合、有料職業紹介業はできないなどの制約があります。

個人事業の場合、変更届は不要

 個人事業にはこのような制約は一切ありません。古物商などのような行政上の許可を必要とする業種でないかぎり、税務署や法務局に届ける必要はありません。もちろん開業して何年かたってから別の事業をはじめても、年の中途で変更する場合でも、まったく自由に変更することができます。

会社をつくる場合、目的を良く検討する

会社をつくって営利事業を行う場合には、定款に定められた目的以外の事業を行うことができないという制約があります。

2.会社にした場合の利益の分配のしかた

法人化するのは、株式会社が一般的

 個人事業主が法人化する場合や、サラリーマンが独立してつくる会社は、株式会社が一般的です。

会社株主と取締役の2つが「機関」

 株式会社は、出資者である「株主」と、会社の経営を執り行う「取締役」という2つの機関が必要とされています。
 取締役は、会社のオーナーである株主から会社の経営を委託されます。株主と会社の経営者が別の人間であることを「所有と経営の分離」といい、株式会社の大きな特徴のひとつとなっています。

会社に場合、株主が取締役である場合がほとんど

 もちろん、株主と取締役が同一であってもかまいません。現実的には、未上場の小さな会社の場合には、事業主が株主であると同時に取締役であるというケースがほとんどです。
 しかし、株主と取締役では、立場が違うわけですから、当然会社からお金を受け取る方法も違ってきます。取締役は会社から役員報酬や役員賞与という形で給料を受け取ります。それでは、株主の場合は、どのようにして、出資金に対するリターンを得るのでしょうか。

会社の場合、剰余金の分配は、自由にできる?

 会社は、売上金から人件費や仕入れなどのもろもろの経費、役員報酬を支払ったあと、利益に対する法人税や地方税などの税金を支払います。それでも残ったお金を「剰余金」と呼びます。会社は株主総会の決議によって、いつでも自由に剰余金を株主に配当することができます。
 株主はこの配当金によって出資金に対するリターンを得ます。しかし、経費の支払いにあてるべきお金まで株主に支払ってしまうと、会社法では最低資本金の制限がないので、会社の運営に支障をきたします。会社が、手持ちのお金を、どんどん自分たちを含めた株主に分配してしまったら、債権者に払うお金がなくなってしまいます。そこで、債権者保護を目的に「会社が株主に対して金銭などの払い戻しをお粉場合には、分配可能額を超えてはいけない」という「財源規制」があります。債権者とは、会社にお金を貸していたり、掛けで商品を売っていた代金が未回収の人のことです。
 債権者を保護するために、簡単にいうと、「会社の純資産額が300万円を下回るような剰余金の分配をしてはいけません」ということが決められています。

会社の場合、株主配当には二重の問題がある

 また、株主に配当を支払う際、会社は20%の源泉所得税を控除して税務署に納付しなければなりません。配当金が10万円の場合、会社はまず税務署に2万円を納め、残りの8万円を株主に支払います。
 会社は、一度法人税を支払い、株主に配当するときにも、再度所得税を支払うわけですから、結果的に「二重課税」の問題が残るシステムです。
 ただし、個人は」「配当控除」により二重課税分の一部を、法人の場合には最大で全額を取り戻すことも可能です。

ポイント会社の場合、剰余金の分配に制限がある

 会社は、いつでも自由に株主に剰余金の配当をすることはできますが、さまざまな制約があって、個人事業に比べるとかなり面倒です。

3.会社をつくると、社会保険に加入しなければならない

会社の場合、健康保険と厚生年金

 すべての会社は、社会保険への加入を義務づけられているので、会社を設立したら、速やかに所轄の社会保険事務所で加入手続きを行います。
 雇用保険や労災保険を含めて広い意味で社会保険と呼ぶ場合もありますが、ここでは健康保険と介護保険、厚生年金保険についてお話しします。
 国が運営する医療保険のことを「健康保険」といいます。加入者本人や家族が病気やケガをして病院で治療を受ける際、通常、国が治療費の7割を負担してくれる制度です。また、従業員の年齢が40歳になると、「介護保険」の適用がはじまります。これは、将来、介護が必要となった場合に、介護の度合いに応じて、費用の9割を国が負担してくれる制度です。
 一方、国が運営する年金のことを「厚生年金保険」といいます。退職後に、老後の生活費として一定額の年金が支給される制度です。

会社の場合、保険料の半額負担

 健康保険と厚生年金保険の保険料は、会社と従業員が半分ずつ負担します。保険料の金額は、従業員の給料や通勤交通費の合計額によって決まります。会社は、従業員が負担する保険料を給料から天引きし、会社負担分とあわせて毎月月末までに国に納めなければなりません。従業員の年齢が40歳以上の場合には、介護保険料についても、会社が半分を負担します。
 たとえば、従業員(40歳未満)に支払う給料が25万円だと、政府管掌の社会保険に加入した場合、会社の負担額は2万8,260円となり、従業員負担分とあわせて5万6,520円を国に支払うことになります。加入者が3人いると、合計16万9,560円になります。半分は給料から天引きしているとはいえ、その負担感は相当なものがあります。

会社の場合、社会保険の手続きは年に1度必ずやる

 社会保険の手続きは加入だけではなく、毎年1回、7月に「算定手続き」を行います。算定手続きとは、個々の従業員の4〜6月の3ヶ月間の給料の平均額を計算し、新しい保険料徴収額を社会保険事務所に届ける手続きになります。
 そのほかにも、従業員の給料が大きく増減した場合や賞与を支給したときにも社会保険事務所に届け出ます。これらの手続きは大変面倒で、通常、社会保険労務士に依頼しますが、当然その費用も会社負担になります。

個人事業に場合、従業員が5人まで任意

 個人事業の場合には、従業員が5人未満までは、社会保険への加入は任意とされています。任意といっても、従業員の2分の1以上の同意がなければ、社会保険に加入することができません。事業所が社会保険に加入していないと従業員も加入できないので、その場合、従業員は各人で国民健康保険と国民年金に加入することになります。
 国民健康保険と国民年金については、事業主が保険料の一部を負担する必要はありません。その手続きについても加入者本人が自己の責任で行いますから、当然、事業主には一切の負担はかかってきません。

個人事業に場合、従業員が5人以上なら半額負担

 ただし、従業員の数が5人以上の個人事業の場合には、社会保険は強制加入となっていますので、会社をつくった場合と同じになります。
 具体的には、従業員の給料から従業員負担分の社会保険料を厚生年金保険料(従業員が40歳以上の場合には、介護保険料も)を天引きし、これに会社負担分を加えて、毎月月末二社会保険庁に支払います。社会保険料の料率や従業員と事業主との負担割合も、会社の場合と同じです。

ポイント会社の場合、個人と比べ社会保険料アップ

会社をつくって従業員を雇うと、社会保険料の半分を負担しなければならないので、コストがアップします。

4.会社なら、事業主や家族も社会保険に加入できる

個人事業の場合、事業主は社会保険に加入できない

 実は、個人事業の場合には、たとえ事業所として社会保険に加入しても、事業主やその事業専従者は社会保険に加入することができません。
 従業員だけが社会保険に加入して、事業主とその家族は、国民健康保険と国民年金に加入し続けなければならないのです。つまり、社会保険に加入して、従業員が将来受け取る厚生年金のために高い保険料を負担する一方で、事業主本人はこれに加入できないということになってしまうのです。

国民年金と厚生年金にある大きな差

 現在の年金制度では、まず国民年金から、自営業者などすべての国民に共通する基礎年金が支給されます。厚生年金に加入している会社に勤めているサラリーマンなどは、この基礎年金に上乗せされる形で厚生年金などが支給されるという2階建ての構造になっています。
さらに大企業などが独自に厚生年金基金に加入していれば、加えて厚生年金基金が支給されます。
 国民年金の給付額は加入期間にもよりますが、年間60〜70万円程度です。一方、厚生年金の給付額は、将来どうなるかは不透明とはいえ、現在の受給者の例でいうと月2−〜30万円程度支給されています。驚くべき補償額の大きさではありませんか。

厚生年金には「第3号被保険者」という特典

 国民年金の掛金は収入にかかわらず、現在は1人あたり月額1万4,100円と決まっています。収入のない専業主婦や学生でも、やはり1人1万4,100円を納めなければなりません。
 厚生年金の場合は、給与の額に応じて保険料額は変動しますが、一番の特典は、サラリーマンの主婦は年金を納めたものとみなされる(第3号被保険者)という制度があるという点です。本来、年金は保険料を支払うことで将来の年金給付の受取が保証されるわけですが、年収130万円未満の主婦の場合にかぎり、特別に保険料を負担する必要がありません。
 個人事業主の場合、妻がまったくの無収入でも、妻は国民遠近を納めなければなりません。専従者給与の額がたとえ130万円未満であっても、基礎年金である国民年金を納めなければ、将来年金を受け取れなくなります。

会社の場合、社会保険料は必要経費になる

 代表取締役や役員報酬を支払う場合、従業員と同じように社会保険料の半分を会社が負担します。会社が負担する分は、当然会社の必要経費になるばかりでなく、役員や家族に対する所得税も課税されなくなります。極論を言ってしまうと、会社をつくることによって、税金を支払うことなく、会社のお金で老後の生活資金を貯めることができるわけです。

健康保険と国民健康保険の差も歴然

 健康保険に加入していると、従業員が病気やケガで勤務できなくなった場合、「疾病手当金」が1年半支給されます。そのほか、被保険者本人が出で勤務できない場合には「出産手当金」が、被保険者または被扶養者が出産したときには、「出産育児一時金」が支給されるなど、手厚い保障を受けることができます。それだけでなく、育児休業期間中は保険料が免除されるなどの制度もあります。また、このうち出産育児一時金は、国民健康保険加入者にも支給されますが、出産手当金は社会保険の加入者にかぎられます。その場合、月々の給料の3分の2が産休で休んだ日数分だけ支給されますので、国民健康保険と比較すると、ずいぶん手厚い保障といえます。

ポイント厚生年金加入には会社を作る必要がある

事業主や家族が老後の生活保障のために、厚生年金に加入したければ、会社をつくらなければなりません。

5.会社は会計帳簿などの作成が面倒

会計帳簿を作成する目的

 会社や個人事業において、会計帳簿を作成する主な目的としては、次の3点が挙げられます。

  1. 税務申告のため
  2. 内部では正確な現状の業績を把握し、将来の事業展開に備えるため
  3. 銀行や株主に対して、会社の業績を報告するため
個人事業の場合、個人事業における帳簿づけ

 個人事業主は、1.の税務申告だけを考えて会計帳簿を作成しているケースがほとんどです。その場合、個人事業の確定申告は簡単なので、簡易帳簿を作成するだけで事足ります。

個人事業の場合、正規の簿記の原則は複式簿記

 個人事業でも、青色申告を行うためには「正規の簿記の原則」にしたがい、整然かつ明瞭に記帳するのが原則です。
 「正規の簿記の原則」では、複式簿記を用いて損益計算書と貸借対照表の両方を作成しなければなりませんが、正規の簿記の原則にのっとって申告した場合、65万円の青色申告控除を受け取ることができます。
 しかし、売上と経費を集計して、損益計算書のみを作成して税金を申告する「簡易簿記」の方法で、青色申告をすることも可能です。ただし、簡易簿記の方法で申告した場合の青色申告控除は、10万円と少なくなっています。

会社の場合、会社の帳簿づけの基本ルール

 一方、会社は「一般に公正妥当な会計のルール」にのっとって、正確な会計帳簿(会計帳簿および貸借対照表)を作成しなければいけません。話が少し難しくなるので、サラッと読んでいただければ十分です。
 「一般に公正妥当な会計のルール」には、公認会計士が、大企業の会計監査を行う際に遵守しなければならない企業会計原則のほか、中小企業のために日本税理士連合会や公認会計士協会が発表した「中小企業会計基準」などがあります。また、中小企業の場合には、法人税法の定めのみをよりどころに会計処理を行う「税法基準」などもみとめられています。
 いずれにしても会社の場合には、個人事業のように、税金の計算のためだけに、売上と経費を集計しておしまいというわけにはいきません。

会社の場合、決算書は会社の診断書

 会社はそれ自体が、社会的な存在です。たとえ株主1人、取締役1人の小さな会社でも、取引先や銀行は大企業と同じように、会社の作成した決算書をもとに取引を開始したり、融資を実行したりします。決算書に基づいて、会社の格付けがなされ、評価がなされるのです。

ポイント会社をつくると、決算書等の書類作成が面倒だが、それが信用の証となる。

 決算書は会社にとって信用のもとになる書類なので、会社をつくると、個人事業に比べて会計帳簿や決算書の作成に手間がかかりますが、これは避けて通れない道です。

6.個人事業の申告者は作成が容易。法人税の申告書は作成が困難

個人事業の場合、所得税の申告書は1枚

 個人事業主が所得税の確定申告を行うには、まず所得を種類ごとに計算した金額を申告書で合算する必要があります。
 個人事業では、所得の種類がいくつあっても最終的に申告書は1枚しか作成しません。不動産を売却して、総合課税と分離課税の収入が両方ある場合でも、1枚の申告書上でそれぞれ税金を別個に計算して、最後に納付すべき税金の額を計算することになります。

個人事業の場合、申告書の作成に専門知識は不要

 このように見ていくと、所得税の申告書は大変複雑な感じがしますが、実際に慣れてみると、さほど難しいものではありません。
 譲渡などのように、専門家に頼まないと複雑で素人の手に負えないものもありますが、一般的な確定申告書は、特別な税の専門知識がなくても作成可能です。
 これは、所得税の決算書が申告書を作成するための明細書として機能していて、決算書、特に損益計算書の集計ができれば、あとは単純にそれぞれの所得の金額を足したり、引いたりするだけでよいしくみだからです。

個人事業の場合、無料相談会やパソコンでらくらく

 確定申告の時期になると、最寄りの税務署や地域の税理士会が中心となって、無料相談会も多数開催されていて、決算書や申告書の書き方を親切に教えてくれます。また、会計ソフトを使用したり、国税局のホームページにアクセスすると、必要項目を入力するだけで申告書を作成できます。

会社の場合、法人税の申告書と決算書の違い

 ところが、法人税の場合には少し状況が異なります。
 法人税の申告書が法人税法という法律に基づいて作成されるのに対し、会社の決算書は、会社法という法律に基づいて作成するものですから、必ずしも、申告書を決算書が一致しないという問題が起きてきます。
 そこで、法人税の申告書を作成する場合には、両者の調整をする必要が出てくるのです。法人税の申告書には、たくさんの種類がありますが、主なものに「別表1」「別表C」「別表5の1」があり、これらの調整は」「別表4」と「別表5の1」で行います。

会社の場合、「別表4」と「別表5の1」の関係

 「別表4」は損益計算書、「別表5の1」は貸借対照表に該当します。これらをもとに「別表1」で法人税の金額を計算するしくみになっています。
 また、複式簿記で仕訳を行う場合に、貸借が一致しなければならないのと同様に、法人税の「別表4」と「別表5の1」の関係も、貸借が一致するように作成しなければなりません。この作業は、税務の素人には大変難しく、結局は税理士に依頼して行うようになりますから、個人事業に比べてコストのアップは避けられないところですね。

ポイント会社の場合、税務申告書作成は個人と違い難しく、専門家が必要になりコストも発生する

 個人事業主の所得税の申告書は素人でも作成可能ですが、会社の法人税の申告書は税務の専門家に依頼しないとなりません。税理士に依頼すると、会社の規模にもよりますが、最低でも10万円以上の費用がかかりますし、場合によっては顧問契約を結んで、毎月の顧問料を支払うことになります。会社にすると、個人事業では払う必要のなかったコストが発生してきます。

7.振込手数料やネットバンキングの手数料がアップする

会社の場合、手数料がアップしても安心

 会社の運営上バカにしていられないのが銀行の手数料です。
 メガバンクの手数料を見てみると、個人向けのサービスは多くのものが無料で設定されています。また、個人にも会社にもサービスパックがありますが、会社の場合には、初期費用に加えて、振込手数料とは別に月額利用料が発生したりします。しかし、会社が加入できる各種サービスは、高いセキュリティ機能がついているので、より安心ともいえます。

個人事業の場合、屋号名の口座は事業扱いになる

 コスト面では個人のほうが有利なのは明らかです。ただし、屋号を用いて口座を開設する場合、個人名のときのように各種特典を受けられるサービスに加入できません。銀行は、屋号名の口座を会社と同じ扱いにしているからです。もちろん、口座の名義に屋号をつけないで、普通に個人名の口座を使用することも可能です。取引先に対して特に問題がなければ、口座を個人名にしたまま個人用の各種特典を受けることもできます。

ポイント会社を作ると銀行の手数料がアップするが、代わりに安心な面もある

会社をつくると、個人で受けていた各種特典が受けられなくなるので、銀行手数料がアップします。

8.固定電話・携帯電話の料金や自動車の保険料がアップする

会社の場合、固定電話の料金がアップする

 会社をつくると、電話料金も個人時代より割高になってきます。NTTの回線使用料(基本料)は、個人の住宅用と事務用とが別に設定されていて、事務用のほうが約1.5倍程度高く設定されているからです。
 SOHOのように、自宅の電話を事業用に使っている場合でも、個人名義で契約していれば住宅用の料金が適用されます。ただし、電話帳に屋号で登録している場合には事務用として扱われます。

個人事業の場合、携帯電話は屋号名義では購入不可

 携帯電話を法人名義で契約する際には、会社の登記簿謄本の提出を求められます。個人事業主が事業用にのみ使用したいと思っても、屋号を登記しているわけではありませんから屋号名義で購入することはできません。あくまで個人としての購入になります。
 また、携帯電話の使用量を100%事業用であると証明するためには、通話記録などを保存しておかなければなりません。携帯電話を事業用にもプライベートにも使っている場合、個人で契約して、使用料の7割を事業用の経費として計上するなど、事業分と個人分を按分する必要があります。

携帯電話の料金体系はどうなる?

 携帯電話の場合は、会社によって料金体系が多種多様ですし、顧客獲得のために各社が競争して値下げをしている状況です。通話の時間帯や利用するサービスによって、どの料金プランがもっとも得になるかは、一概にはいえませんが、各社とも、個人とは別に会社用の料金プランを用意しているので、個人とは別に会社用の料金プランを用意しているので、検討が必要です。
 また、携帯電話を法人契約にすると、家族割が受けられなくなる分、生活費としての電話代が高くなるというデメリットはありますが、家族が会社の役員や従業員になっている場合、家族割を法人割に切り替えることで、より有利なサービスプランを見つけることも可能です。

会社の場合、自動車保険の保険料もアップする

 ほかにも、個人から法人契約に切り替えることで、確実にコストアップするもののひとつに自動車保険があります。自動車保険の場合も、事業用だからといって屋号で加入することはできません。個人事業の場合、あくまで個人名で加入し、支払った保険料のうち事業用の使用割合を按分して、必要経費に算入することになります。
 車の使用目的は、主に、@日常利用・レジャー、A通勤・通学、B業務の3つに分けられますが、会社は業務目的で車を利用しているので、1日の乗車時間も長くなり、事故を起こす確率が高くなります。ですから、保険料が高く設定されているのです。
 年齢による割引率の設定も、会社と個人では異なります。会社の場合には上限が30歳以上なのに対して、個人の場合には35歳以上となっています。家族限定割引や夫婦限定割引・ゴールドカード割引などの各種割引制度を受けていた場合には、これらの割引は個人にかぎっての適用になりますので、会社にすると利用できなくなります。

ポイント会社を作ると、電話代・自動車保険料がアップする

法人契約をすると、自動車の保険料や電話代などは高くなりますが、携帯電話は多様な料金プランがあるので、よく検討すれば、割安になる場合もあります。

9.会社にすると、税務調査はどう変わる

なぜ、税務調査がある?

 個人で事業を行っている場合でも、会社をつくった場合でも、逃れられないのが税務調査です。決してやましい処理をしているわけではなくても、やはり税務調査というともろ手を挙げて歓迎する気にはなりませんね。
 でも、なぜ、税務調査なんて面倒なものがあるのでしょうか。それは、所得税や法人税が申告納税方式を採用しているからです。申告納税方式では、課税所得と納税額を私たち納税者が計算するので、それが正しく行われているかどうかを調べるのが、税務署の主な仕事というわけです。

税務調査の種類は2種類

 実は、税務調査には「強制調査」と「任意調査」とがあります。

強制調査とは

 いわゆるマルサと呼ばれるもので、国税局査察官が裁判所の礼状を携えて行うものです。その場で、臨検・捜査・差押もあり、悪質な場合には、検察庁に告発もされます。

任意調査とは

 一般的に調査と呼ばれるものが任意調査です。調査官が現場の状況を見るという名目(現況調査)で会社を訪問し、帳簿類や領収書・請求書などの証憑を調査します。
 任意調査とはいえ、税務職員には調査権があるので、納税者は納税調査に応じる義務があります。また、取引関係の確認などをとるために、取引先や銀行に対して反面調査が行われることもあります。

税務調査で指摘を受けた場合

 税務調査で指摘された事項についてその内容を検討し、納得できる場合には「修正申告書」を提出して、不足の税金を支払います。その場合、追加で納付すべき税金のほかに、原則として10%の「過少申告加算税」や、納付が遅くなったことに対する利息相当としての「延滞税」といった「附帯税」を支払わなければなりません
 また、修正申告すべき事項の内容について、「偽装や隠ぺい」があった場合、さらに、35%の「重加算税」を支払うこととなります。

調査部門は個人課税と法人課税に分かれる

 税務署の調査部門は、大きく個人課税と法人課税に分かれています。
 たとえば、渋谷税務署の場合、個人課税は1部門から7部門まであり、法人課税は1部門から22部門に分かれていて、それぞれが業種や地域を分担して調査にあたっています。税務調査といっても、すべての個人事業や会社が調査を受けるわけではありません。税務職員の数にはかぎりがありますから、当然、売上高など事業規模の大きいところが対象となります。

税務調査が来る確率

 売上が1,000万円にも満たないような、小規模の個人事業主にまで調査が入ることはめったにありません。しかし、売上が5,000万円あったとしたらどうでしょうか。会社であれば、そのくらいの売上の規模の会社はたくさんありますから確率は低くなります。個人事業だったら、その税務署の管内でもかなり上位にくるはずですから、確率は非常に高くなります。
 一概にはいえませんが、会社の場合で、業績が右肩上がりだと、3年から5年に1回程度の割合で税務調査があります。反対に、赤字の会社に調査が入ることはあまりありません。

ポイント個人で売り上げの規模が大きい場合は、会社にした方が調査が入る確率が下がる

事業規模がある程度大きくなると、会社にしたほうが税務調査の入る確率は低くなります。

 

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受付:平日9時〜18時 行政書士中出和男事務所

 

 

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