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会社と個人事業の各手続きの違い

会社と個人事業の各手続きの違いはこんなにある

1.開業するときの手続きと費用を知る

会社の場合、絶対に決めなくてはいけないこと

 事業をはじめるにあたって、株式会社の場合にはどのような手続きが必要になるのでしょうか。大きな流れを見ていきます(詳細は第5章参照)。
 まず会社をつくるには、どんな会社をつくりたいのか決めて、定款を作成します。具体的には、会社の名前や本店所在地をどこにするのかを決めます。会社は定款に定めた目的以外の営業活動を行ってはいけないので、会社の目的も決めなければなりません。それから、資本金として誰がいくら払い込むのかなど、定款で絶対に決めなければならない事柄を、定款の「絶対的記載事項」といいます。
 ちなみに、会社の設立時に資本金を払い込む人を、「発起人」といいます。

会社の場合、定款に載せておいたほうがいいこと

 次に、会社の役員構成をどうするかを決めます。取締役は1名にするのか、3名にして取締役会にするのか、または監査役は置くのか置かないのか、その任期は何年にするのか、さらに将来株式を譲渡するときに、会社の承認を必要とするのかしないのかなど、「相対的記載事項」を決めます。
 相対的記載事項とは、これを記載しなくても構わないけれど、定款に記載してはじめて、法的な効力を発揮する事項のことをいいます。
 任意的記載事項とは、定款に記載する必要はないけれど、会社のルールなどで、あえて記載しておきたい事項のことをいいます。また定款の認証にかかる費用は、約9万円(電子認証の場合には、約5万円)です。

会社の場合、設立登記の申請をした日が創立記念日

 定款の認証が終わったら、資本金の払い込みをし、法務局へ設立の登記をします。法務局に設立登記の申請をした日が、会社設立の日になります。設立登記にかかる登録免許税は、最低15万円です。
 このとき、いっしょに印鑑登録も行います。会社の印鑑としては、実印のほかに銀行印や認印などもあわせてつくっておきます。印鑑の作成にかかる費用は、一般的には2〜4万円程度です。

会社の場合、登録申請すれば、資本金は自由に

 法務局に登録の申請をして、実際に登記簿謄本や印鑑証明ができあがるまで、通常1週間程度かかります。この間、資本金として払い込んだお金を、事業資金として使うことは問題ありませんが、会社名義の銀行口座を開設するためには謄本が必要ですから、会社をつくる場合には早めに準備しておくことが大事です。
 これらの手続きは、司法書士に依頼すると、一般的には10〜15万円程度の費用がかかります。

会社の場合、税務署へ開業の届出書類を提出する

 登記が終わったら、所轄の税務署と地方公共団体に開業の届出をします。届け出る書類は「法人設立届出書」だけでなく、「青色申告の承認申請書」、「給与支払事務所等の開設届出書」など、多数あります。その後、労務基準監督署やハローワーク、社会保険事務所二加入の手続きをします。

個人事業の場合、開業届だけ提出する

 個人事業の場合、登記の必要はありませんから、法務局での手続きは不要です。所轄の税務署へ、「個人事業の開廃業等届出書」を提出するだけで、事業をはじめることができます。
 もちろん、会社と同じように、青色申告の届出書を提出したり、従業員を雇った場合には、給与支払い事務所の開設届や労働基準監督署への届け出が必要となります。

ポイント会社設立には、登記費用が掛かる

 会社を設立するためには、法務局に設立の登記をしなければならないので、個人事業では必要のない20〜30万円の初期費用が発生します。

2.廃業するときの手続きと費用を知る

会社や個人事業を続けていけなくなったとき

 事業を長く続けていくということは、とても大変なことです。統計によると、設立してから3年後に存続している会社は5割程度だそうです。それでは、不幸にして事業を続けていくことをあきらめた場合には、どのような手続きが必要なのか見ていきましょう。

会社の場合の解散手順

 会社を閉めるためには、まず清算人を選んで、法務局に解散の登記をしなければなりません。会社は株主総会の決議で、いつでも解散することができます。解散をすると、会社は「清算中の会社」になり、以後営業活動を行うことができなくなります。通常は、取締役がそのまま清算人になり、会社の財産の処分や、債務の弁済などの清算事務を行います。
 また、解散をしたら、「解散届出」を所轄の税務署に提出し、解散の日から2カ月以内に「解散確定申告書」を所轄の税務署に提出します。

会社の場合、解散したら、今後は清算をします

 会社が解散したら、清算人は株主に対して解散した旨の通知をしなければなりません。また、債権者に対しては「債権の弁済をしますから申し出てください」という通知を行います。この通知は官報などで行います。
 これらの債務の弁済が完了してもなお、会社に財産が残っている場合には、その残余財産は、最終的に株主に分配されます。残余財産の分配が終了すると、清算事務も完了です。
 清算事務が完了すると、清算人は報告書を作成して株主総会の承認を経たのち、清算結了の登記を行います。
 決算報告書にかかる株主総会決議の日が、清算結了の日になります。
 さらに、清算人は所轄の税務署に「清算結了届」を提出するとともに、残余財産確定の日から、原則として1カ月以内に「清算確定申告書」も提出しなければなりません。これで、会社の解散・清算の流れは終了です。

会社の場合、解散・清算は専門家に依頼する

 解散・清算は、司法書士や税理士などの専門家に依頼しないと、なかなか個人で行うのは難しいものです。費用も、公告や登録免許税などの実費を含めると、少なくても30万円程度はかかりますし、期間も3カ月程度は、見ておく必要があります。

個人事業の場合、どうなる?

 どうですか?会社はつくるよりも、閉めるほうが大変ですね。
 個人事業の場合だったら、もちろん解散の登記は必要ありません。所轄の税務署に「個人事業の開廃業等届出書」や「所得税の青色申告の取りやめの届出書」「給与支払事務所等の廃止届出書」「消費税の事業廃止届出書」などを提出するだけですみます(詳細は第5章参照)。

ポイント会社の清算は、個人に比べかなりの労力と費用が掛かる

 会社を清算するのは、個人事業に比べて手間もお金もかかる大変な手続き作業が必要になります。だからこそ会社は個人事業と比べて、社会的信用が高いということになります。

3.会社の意思決定をする役員には任期がある

個人事業は個人で、会社は機関で決断

 ビジネスを行うことは、「日々決断の連続」です。
 たとえば、「新しく店舗を借りるか」「面接にきた応募者を雇うか」、はたまた「この商品を仕入れるか」「いくらの単価で売るべきか」「借入するか、自己資金でまかなうか」など、数えはじめたら切りがありません。
 個人事業の場合は、すべてのことを事業主の裁量で自由に決めることができます。事業を拡大するのも、借入をするのも、従業員を雇うのも、事業主の決断ひとつです。 
 では、会社の場合はどうでしょうか。会社の場合には、経済活動を行う主体が、法人格という法律によってつくられた人格にすぎませんから、会社自体が意思決定をすることはできませんね。
 そこで、株主総会や取締役会などの「機関」を開設して、自然人である株主や取締役が、経営上の重要な事項について意思決定を行っていくことになります。

会社の場合、1人で会社をつくったら1人で決定

 会社は最低でも、株主総会と取締役を設置しなければなりません。では、株主総会と取締役の関係はどのようなものなのでしょうか。
 株式会社では、株主が会社の経営を取締役に委託し、取締役が会社を経営していく形をとっています。そして、会社の運命を左右するような重要な意思決定を「株主総会」で行います。
 しかし、株主1人、取締役1人でも会社をつくることができます。実際に、そういう小さな会社はたくさんあります。つまり、すべての決定を1人の人間が行うということになります。小さな会社の場合、実像としては、個人事業とあまり変わらないのが実情です。

会社の場合、取締役の任期は最長でも10年

 個々で注意しなくてはいけないのが、取締役には任期があるということです。
 実態は、個人事業と同じでも、会社の場合には任期が満了したら、たとえ同じ取締役が引き続き再任する場合であっても、法務局に役員変更の登記をしなければなりません。これを役員の「重任登記」といいます。
 登記に必要な登録免許税が1万円と、司法書士に手続きを依頼した場合の手数料が数万円かかります。取締役の任期は、定款で10年まで延長することができますが、最長でも10年に1回は登記変更の費用がかかることになります。
 任期の途中で取締役が辞任したり、新しい取締役が就任する場合はもちろんですが、取締役の住所や氏名が変更になった場合にも登記をし直さなければなりません。この場合にも、1万円の登録免許税がかかります。 
 これは1人でつくった会社でも同じことですから、重任登記についてはしっかり覚えておいてください。この重任登記を忘れると、なんと5万円の過料が科せられてしまいます。

会社の場合、取締役の任期には注意が必要

 会社は、取締役が3名以上いる場合、取締役会を設置することもできます。この場合には、取締役会で代表取締役を選びます。
 譲渡制限会社の場合、取締役の任期は最長で10年となっていますが、親族以外の人間が取締役になっている場合には、あまり長い任期を設定するのは危険です10年の間には、お互いに意見があわなくなることもありますから、2年程度にしておいて、任期満了の都度、重任の登記をしていくほうが無難な選択といえます。重任登記の費用として、その都度登録免許税1万円がかかってしまいますが、経営的には安全策といえます。

会社の「役員」って何?

 ここで、会社の役員について、お話ししておきます。 
 取締役、監査役のほか、社外取締役、社外監査役、会計参与などを役員といいます。従業員と会社の関係が雇用契約であるのに対して、役員と会社の関係は委任契約となっています。
 一般的に使用される「社長」や「専務」「常務」という呼び方は、法律で定められたものではないので、会社が自由に決めることができます。最近では、「執行役員」や、「CEO」「CFO」などという肩書きを使う場合も多く見受けられます。

会社の場合の監査役の任期も最長10年

 取締役が、法令や定款に準拠して正しく業務を執行しているかを監査するのが、監査役の仕事です。会社は監査役を任意に設置することができます(ただし、取締役会を設置した場合には、設置が義務となっています)。監査役の任期も取締役と同じく最長で10年(譲渡制限会社の場合)ですが、親族以外の人間が監査役になっている場合には、取締役と同じ理由で、4年程度にしておくのが無難です。
 もちろん、監査役が変わった場合にも変更登記が必要です。この場合の登録免許税も、取締役と同じで1万円かかります。
 最近では大企業にかぎらず、中小企業でも「コーポレート・ガバナンス」ということが盛んに言われるようになってきました。要するに、会社が組織づくりをきちんとして、法令遵守を図りましょうということです。
 株主1人、取締役1人の会社ではそこまでの必要はありませんが、規模がある程度大きくなってくると、取締役会や監査役をを設置して、会社の組織固めをすることでより社会的信用力をつけることができます。

ポイント1人株式会社でも、個人事業とは違い、意志決定のいろいろな手続きが必要

 会社の場合は、個人事業のように自由に意思決定をすることができません。会社の意思決定は取締役が行います。
 株主1人、取締役1人の会社の場合には、実質的には個人事業と変わりがないように見えますが、役員の任期が満了すると変更登記をしなければならないので、、注意が必要です。

4.取締役の責任は意外に重い

会社の場合、取締役というポジション

 そもそも株式会社は、資本と経営の分離を大原則としています。前述したとおり、会社のオーナーである株主は直接経営にはタッチせず、取締役に経営を委託するというしくみになっているということです。
 株主から会社の経営を委託された場合、取締役は善良な管理者としての注意義務を負うと同時に、会社のために忠実に職務を執行する義務を負うことになります。そして、取締役がこの義務を怠った場合には、会社から損害賠償請求をされる可能性があります。
 たとえば、取締役本人が会社と同じような業務を行うこと(競合取引)で、会社に損害を与えたり、取締役本人が会社と直接取引をして(利益相反取引)、結果的に会社に損害を与えた場合などがこれに該当します。
 もちろん、同一人物が株主であると同時に取締役である、1人でつくった会社でも同様です。

会社の場合、競合取引と利益相反取引はなぜ禁止?

 なぜ、会社と競合取引を禁止しているかというと、取締役は会社の情報を知り得る立場にいるわけですから、それを利用して個人の事業として、会社の取引先を奪って会社に損害を与える可能性があるからです。
 たとえば不動産会社を経営している社長が、個人でも不動産売買を行っている場合を想定してみてください。たまたま非常に安い物件を見つけたぞ!という場合に、会社の取引にしないで、社長が個人的に売買を行ってしまったらどうでしょう。会社は、そこでもうける機会を逃してしまうわけですから、許される行為ではないですね。
 また、会社と個人間の取引を規制しているのは、会社を代表する立場を利用して、会社を犠牲にして個人の利益を図ることを防止するためです。
 たとえば、社長が賃貸用に購入したマンションのローンを支払うのが大変だったとします。そこで社長は会社にこのマンションを貸して、月々のローンが払える家賃を受け取ることにしました。会社は、必要のない家賃を支払う羽目になるどころか、家賃が相場の倍近い値段だったりしたら、会社に大きな損失を与えてしまいます。
 このほか、違法に剰余金を配当した場合なども、取締役は損害賠償の責任を負わなければなりません。

会社の場合、監査役は取締役の仕事内容を監査する

 監査役の職務は、取締役が職務を適法に執行しているかどうかを監査することです。最近の事例としては、ある食品会社で利益追求のために、取締役の指示で賞味期限の記載を意図的に改ざんしてしたことが問題になりました。家族経営の会社だからといってコンプライアンスを軽視していると、あっという間に会社がつぶれてしまう事態になりかねませんね。
 監査役が、監査報告書に虚偽の記載をして、結果それを信じた第三者に損害を与えた場合、損害賠償の責を負わなければなりません。どういうことかというと、会社の決算は、監査役が監査して適正であると判断し、その後、株主総会で承認されてはじめて確定します。ここで監査役が作成する書類のことを、「監査報告書」といいます。
 どんなに小さな会社でも、明らかに粉飾であると知りながら、「決算書は適正に作成されている」旨の監査報告書を作成して銀行から融資を受けたり、第三者に出資を依頼した場合には、会社や取締役だけでなく、監査役も責任を問われる可能性があるということです。

会社の場合、株主による株主代表訴訟

 上記のような理由で、会社に損害が与えられた場合には、会社は訴えを起こして、取締役などの責任を追及する必要があります。こういった場合、社外の弁護士などの第三者を加えて、第三者委員会やコンプライアンス委員会などを立ち上げ、取締役の責任を追及すべきですが、現実適任は会社が取締役を訴えるというのはあまり例がありません。
 そこで、会社がこの訴えを起こさない場合には、株主が会社に代わって取締役の責任を追及する訴訟を起こすことができます。
 この場合、まず株主は会社に対して、書面で取締役の責任を追及する訴訟を起こすよう要求します。60日以内に会社がその取締役を訴えない場合に、訴訟を起こすことができる制度です。これを株主代表訴訟といい、一律8,200円の訴訟費用ですみますので、誰でも比較的容易に訴えを起こすことができるようになっています。
 最近では、未認可の添加物入り肉まんを販売したとして、ミスタードーナツの取締役・監査役が訴えられた例があります。このケースでは、取締役全員および監査役の善管注意義務違反が認められ、担当取締役に対しては、なんと53億円の損害賠償が命じられました。
 株主も取締役も同一人である小さな会社の場合、実際には、株主代表訴訟が起こされるということは考えられませんが、たとえどんな小さな会社でも、会社法上、取締役や監査役は重い責任を負っていることを忘れてはなりません。この責任の重さは、個人事業に比べるとはるかに重いということを十分に理解しておいてください。

ポイント会社の取締役の責任は、社内的対外的にとても重い

 取締役の責任は、想像以上に重いものです。特に株主に身内以外の第三者が入っている場合には、取締役の経営責任を問われることもありますから軽く考えてはいけません。取締役の責任は、個人事業に比べて社会的にはるかに大きいと自覚しなければなりません。株主1人、取締役1人の会社だといっても、コンプライアンスを守らないで社会的に問題を起こした場合は、金融機関などの第三者から責任を追及されてしまいます。逆にいえば、それだけ会社というものが、社会的な存在であるということの裏返しでもあります。

5.決算公告とは何か?

会社の場合、決算公告をしなくてはいけない

 会社組織にした場合、個人事業では絶対に必要のなかった義務のひとつに、決算公告なるものがあります。すべての株式会社は会社の規模にかかわらず、決算書類(貸借対照表や損益計算書など)やその要旨を官報や日刊新聞上で公告しなければなりません。
 ただし、資本金が1億円以下の中小企業で株式譲渡制限のある会社の場合には、貸借対照表の要旨のみの公告でかまいません。
 「株式譲渡制限会社」とは、会社が発行する株式の全部について株式の売買などの譲渡が行われる際に、会社の承認を必要とする旨を、定款で決めている会社のことをいいます。反対に譲渡制限会社でない会社のことを、「公開会社」といいます。

会社の場合、決算公告の必要性

 それでは、なぜ決算公告は必要なのでしょうか。
 最低資本金が撤廃され、事実上、資本金の持つ意味がなくなってきたと同時に、取締役1人でも会社が設立できるなど、会社設立のためのハードルが低くなってきました。
 つまり、取締役1名、資本金1円の会社がすぐにつくれるようになったのです。そうなると、取引の相手先が資本金の極端に少ない会社だった場合、新規に取引をしても、果たして代金の支払いが滞りなく行われるか、信頼していい相手かどうか心配になってきますよね。
 そこで、自社に対する信頼性と信用度を高めるために、少なくとも貸借対照表を公開して、純資産の部にしっかり内部留保があることを示し、自社の財務状況の安全性と健全性を示す必要があるのです。

会社の場合、決算公告の費用

 官報による決算公告の掲載料は、中小企業の場合でも6万円から9万円程度かかります。また、全国紙の日刊新聞に掲載するとなると、記事の大きさにもよりますが、最低でも60万円以上の料金がかかってしまいます。
 この費用負担はバカになりません。これらの負担を軽くするために、兵船16年度の商法改正で、インターネット上で公告を行うことも可能になりました。

会社の場合、インターネット公告と注意事項

 インターネットで公告する方法としては、自社のホームページ上に掲載する方法と、決算公告専門のインターネットモールに掲載する方法とがあります。インターネットモールへの掲載料は、年間2間年程度のところが多いようです。いずれの場合も、インターネットで公告を行う場合には、決算公告のURLを登記所に登記して、公開する必要があります。また、いったん公告した内容は、5年間掲載を続けていかなければなりません。

会社の場合、決算公告をしないと罰金が課せられる

 決算公告は法律で義務付けられている制度ですから、これを行わない場合、100万円以下の罰金が課せられます。現実的には、決算ごとに決算公告を行っている中小企業は多くはないといわざるを得ません。
 しかし、決算公告はコンプライアンスの観点からだけでなく、会社の持つ社会的信頼性を強くし、ビジネスチャンスを広げていくためにも、積極的に開示していくことが成長する会社の条件になっていくのです。

ポイント会社の決算公告義務は、社会的信用のため必要

 会社にすると、決算公告の義務があります。決算公告をすると会社の貸借対照表の要旨を公開しなければなりませんし、費用もかかります。それでも、それ以上に会社の社会的信頼性を高めるために、必要な制度なのです。

6.会社なら会計期間を自由に決められるメリットって?

会社の場合、決算書とは何か?

 事業というものは、いったんはじめると、その活動は事業をやめるまで日々続いていくものです。そこで、その間の経営成績や財政状態を把握したり、税務署に税金の申告をするために、人為的に会計期間を区切って決算を行います。この「会計期間」のことを「事業年度」ともいい、会計期間は1年を超えて設定することはできないこととなっています。
 決算では、「損益計算書」と「貸借対照表」のほかに「株主資本等変動計算書」「個別注記表」を作成しなければなりません。
 決算書は、会社にとって過去の業績を集計・分析し、将来の事業計画のもととなるものです。出資者にとっては、配当が得られるかどうか判断する根拠となる書類ですから、非常に重要な意味があります。
 また、金融機関は2期分の決算書をもとに、その会社の格付けを行い、融資を行うべきかどうかを判断します。
 会社にとって、決算書は命綱と呼べる大切なものなのです。

会社の場合、損益計算書と貸借対照表の意味

 損益計算書とは、1会計期間(事業年度)における会社の収益・費用・利益をまとめた計算書類のことをいい、その会計期間における会社の経営成績を表します。また、税金の計算のもとになる非常に重要な書類です。
 また、貸借対照表は、決算日現在(期末)における売掛金や固定資産といった会社の資産や負債・純資産がどれだけあるかをまとめた計算書類です。決算時点における会社の財政状態を表していて、会社の経営分析の基礎となるものです。
 決算書ができあがったら、次に「税務申告書」の作成です。ここでは会社が作成した決算書に、法人税で決められているもろもろの調整を加えて、支払うべき税金の計算をします。

個人事業の場合、会計期間は暦年

 実は個人事業と会社では、会計期間の決め方に違いがあります。個人事業者の場合、会計期間(事業年度)は暦年と決められています。したがって、1月1日から12月31日までの間の損益計算書を作成し、12月31日現在の貸借対照表を作成することとなります。 
 また、申告期限も決まっていて、個人事業の場合、所得税については2月16日から3月15日の間に、最寄りの税務署に申告して税金を納めなければなりません。

個人事業の場合、口座振替の手続きで延納も可能

 ただし、銀行による口座振替の手続きを行った場合、4月中の中旬以降に引き落としになるので、それだけで支払いが楽になります。また、資金繰りが厳しい場合、最高で所得税の半分までの税額を、5月末日まで支払いを延期することもできます。
 個人事業の消費税については、事業年度は暦年となっていますが、所得税と違って、申告・納税期限が3月31日と決まっています。口座振替の手続きをとることによって、結果的に納付を遅らせることができるのは、所得税と同じです。
会社 会計期間は自由、法人税の延納も可能
 一方、会社の場合、会計期間を定款で自由に決めることができます。また、一度決めた会計期間を変更することも簡単にできます。
 決算が確定すると、法人税も消費税も、決算日から2カ月以内に申告書を作成し、本店所在地の最寄りの税務署に提出して税金を納めなければなりません。ただし、法人税(地方税も含みます)にかぎり、この申告納税期限を3カ月に延長することができます。

会社の場合、会計期間を自由に決められるメリット

 会計期間を自由に決められることで、どのようなメリットがあるのでしょうか。まず、会社の業務内容にあわせて、繁忙期を避けた決算時期にすることができます。
 たとえば、クリスマス用のギフトショップを経営している場合、1年の半分の売上が12月に集中してしまいます。個人事業ならば、事業年度は1月から12月と決まっていますから、1年で一番忙しいときに、決算事務も行わなければなりません。会社ならば、比較的暇な8月を決算にして、ゆっくり決算対策を講じることができるわけです。
 また、消費税に関して大きな節税効果を生むことも可能です。前述したように、資本金1,000万円未満の会社では、設立1期目と2期目について、消費税が免税となります。そうすると、最初の1期目は、会社の設立日から決算日まで、できるだけ長くなるように設立したほうが有利になります。
 たとえば、10月に事業をはじめた場合、個人事業だと、1期目の3カ月と2期目あわせて15カ月が免税となりますが、会社の場合、9月決算にすると、1期目と2期目を併せて24カ月免税の恩恵を受けることができるのです。
 仮に、1カ月の平均売上が105万円のデザイナーだった場合、個人の場合だと免税になる消費税額は、37万円5,000円にしかなりませんが、会社だったら、最大で60万円の免税効果があることになります。

ポイント消費税の節税、会計期間の自由度は会社をつくるメリット

 以上のことから考えると、消費税の節税効果を最大限に生かせるうえに、仕事の繁忙期に決算業務をしなくてすむためには、会社をつくったほうが圧倒的に有利ということになります。

7.会社なら、納税地を選べるメリットって?

地方自治体によって税率は異なる

 「所得税」や「法人税」は国税ですから、全国どこの税務署で申告・納税しても、税金は国庫に収納されます。しかし、「住民税」と「事業税」は地方税ですから、どこに事業所を置くかで税金の額に違いが出てきます。
 なぜ税金の額に違いが出てくるかというと、地方自治体が課税を行う場合に、通常用いられる税率を「標準課税」といいますが、資本金や所得に応じて、独自に標準税率より低い「軽減税率」を設定したり、逆に高い「超過税率」を定めたりということが認められているからです。ただし、超過課税が行われる場合でも、超えてはならない制限税率が定められています。
 たとえば、東京都と神奈川県の道府県民税法人税割を比較してみます。東京都の場合、資本金等が1億円または法人税額が年1,000万円を超えると、都民税率が6%に上がるのに対して、神奈川県の場合、資本金等が2億円または法人税額が年4,000万円を超えた場合に、はじめて5.8%の県民税率が課税される税率構造になっています。
 どうですか、納税は毎年のことですから、長い間には、納税額にかなりの違いがあることになりますね。

会社の場合、納税地が選べるメリットとは?

 会社の場合、本店所在地の都道府県や市区町村に申告しますから、どこに税金を納めるかを自分で選択することができます。
 これは、できるだけ税率の低いところで納税できるメリットだけでなく、現在は東京で働いているけれど、出身地に本店を置くことで、自分を育ててくれた故郷に納税するといった選択肢を広げることも可能になります。

個人事業の場合、ふるさと納税

 個人事業の場合、どこに事業所を借りても、住民税は住民票の所在地に納めなければなりません。そうはいっても、個人事業主も会社の事業主同様、故郷に納税したいという思いもあります。
 そこで、平成20年度の税制改正で、ふるさと納税という寄付金制度が取り入れられ、個人事業(個人)が「ふるさと」に寄付をした場合には、住民税の1割(総所得の3割)を上限として、税額控除を受けられる制度がはじまっています。
 「ふるさと納税」は、ふるさとに貢献したいという個人事業(個人)の思いを尊重するために取り入れられた画期的な税制ではありますが、どこを「ふるさと」と考えるかは、個々人によってさまざまという問題があります。そこで、個人事業(個人)が地方公共団体に寄付をした場合には、寄付をした金額のうち、一定の金額について、税額控除を認めましょうというしくみになっています。
 しかし、控除額には上限があるばかりか、毎年、面倒な税額控除の手続きも別途必要となってきます。会社のように、1度本店所在地を登記すれば終わりというわけにはいきません。

ポイントふるさとに貢献するなら会社をつくろう

 会社にすると、本店所在地をどこに置くかによって、節税をしたり、故郷を応援したりすることが簡単にできます。

 

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